歯科コラム

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口臭について

口臭について

 コロナ禍も少し落ち着き、マスクを外して会話する機会も増えつつありますが、そこで気になることの1つに口臭があります。

 口臭は一時的なものと持続的なものに分けられます。一時的なものとは誰にでもある臭いで、例えば朝起きた時に「口が臭うな」と思っても、歯みがきをしたり朝食を食べると気にならなくなる臭い、またニンニクなどの食べ物の成分が原因の臭いなどです。これらは生理的口臭と言い、病的なものではありません。一方、持続的な口臭は病的な原因が考えられ、代表的な原因は①むし歯、歯周病、みがき残したプラーク(歯垢)や歯石、舌苔(舌の表面が白く見える状態)②副鼻腔炎、へんとう炎など耳鼻咽頭の病気(お口とつながっているため臭いが口から出てくる)③糖尿病、肝臓、腎臓、胃など体の病気(臭い物質が血液を巡って肺から息へ出て口臭に影響する)─などです。

 ここでは①のお口が原因の口臭についてお話します。むし歯による臭いの原因は、むし歯の穴にプラークや歯石、食べ物のかすがたまること、むし歯が進行して歯の根の先にうみがたまることです。歯周病では歯と歯茎の境目(歯周ポケット)に、プラーク以外にも歯茎の腫れによる血液、細菌の代謝物(排せつ物)がたまり強い臭いを発します。また舌苔は舌の表面にお口の中の皮膚が剥がれてできたあかや食べ物のかす、老廃物がべっとりと厚い層になって舌にくっついた状態で、口臭の原因になります。

 口臭は自分では気が付きにくく、他人から指摘されることもあります。定期的にかかりつけ歯科医院でクリーニングを行い、自分のお口に合ったブラッシング方法やデンタルフロス、歯間ブラシの使い方を教えてもらいましょう。入れ歯を使っている人は入れ歯に付いた汚れも臭いの原因になりますので、清潔に保ちましょう。